瑠璃色の泉


静謐な森の奥深く
猟師や釣り人すら
名付ける者もなく
その存在を知ることもない
瑠璃色の泉

深々と湖水を湛える泉
その泉へ侵入する者を
拒むかのように
尽きせぬ水源を守るように
周辺を取り囲む樹氷の数々

さざ波ひとつ立てず
水面の変化を包み込む湖水
生と死がもたらす穢れ
地表を覆ひ隠す雪の結晶
その青と白のコントラスト

肉体を持つことがなく
物音ひとつ立てることがなく
立ち去る跡を残すこともない
この地を訪れる者は
神々か聖霊か

瑠璃色の深い泉にそそがれる その幾つもの神の眼差し