古びたセピア色の写真に残された
ふれあう姉弟の肖像
その生活は未分の面影を残しながら
家族が密接に繋がっていた時代・・・
親と姉弟、祖父母たちの空間が
大げさに間仕切られることなく
家族が家族としての
思い出を共有できた時代・・・
姉の手には幼い弟の温もりが伝わり
弟の体には自らを支える姉の確かな愛が伝わる
弟を育てることで 家事に馴染むことで
大人になる少女
姉は弟の成長を見守る
病気や怪我で苦しまないだろうか
ひとりの男として立派に育つだろうか
姉は母親の眼差しで弟の世話をする
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幼い日々は瞬く間に過ぎ去り
立ち止まることのない歳月が
ふたりを別々の旅に誘い
優しい思い出をかき消してしまう
あの時の自分に
どこに行けば会えるのだろう
あの頃の優しさに
どうすれば戻れるのだろう
離ればなれになった長い旅が終る時
ふたりは懐かしい思いで再会する
ふたりがともに過ごした時間は
ふたりだけの永遠となるのだから
遠ざかるふたつの旅が終わるとき やさしい日々が取り戻せれば